「ちょっと美加、何してんの?」
お局様に気付かれない様に、小声で話しかける。
「あっ、バレた?社長の事を調べてるの」
通りで、やたら詳しかったわけね。
「ちょっと、やめなさいよ」
そんなあたしを無視して、美加がカチカチとクリックしながら出てきた画像に、息を飲んでしまった。
だってそこには、キレイな女の人が映っていたから。
アーモンド形の二重の目に、鼻筋は通っていて、薄くて艶のある唇。
そして、斜めに流した前髪に、ストレートの黒髪のロング。
まるで、ファッションモデルみたいだった。
「へえ。この人が婚約者なんだって。葉山 亜子」
「え…?」
美加の言葉に、あたしは一瞬固まってしまった。

