15分ほどで着いた山頂は、乗用車が5台ほど停めれるスペースがあり、その先は崖になっていて、ロープが張られていた。
「ここ、けっこう穴場でさ。知ってる人しか来ないから」
周りは深い森の様になっていて、夜景が見える崖部分しか開けていない。
彰斗は車を停めると、足早に降り立った。
その後に続いて、あたしも降りる。
薄暗い山でも、意外と足元が見えるのは、小さな街灯のお陰。
「キレイだろ?街が一望出来るんだ」
ロープの手前で立ち止まると、彰斗は夜景に目を落とす。
「あたし、夜景を見に来たかったんじゃないんだけど」

