会社から徒歩2分ほどの場所にある本屋は、小さな一階建てで、入口に新刊の雑誌が並べられていた。
「次の女子会の服を、研究したいから」
あたしに嫌みぽく言うと、美加はファッション雑誌を手に取る。
「だから、ごめんて」
もう、嫌みなんだから。
何気なくラックに目を向けると、
「ん?」
「どうしたの?由依奈」
「これ、何?」
週刊誌に、見慣れた顔が載っている。
「ああ~!社長じゃない!何で?」
驚いた美加が、雑誌を乱暴に戻すと、週刊誌を手に取った。
「すごい。表紙なんて…」
その時、あたしは信じられない文字を目にした。
“若きプリンスのフィアンセ発覚!!”

