それは…、あたしよ! そんな事、言えるはずもなく、適当に返事をした。 「さあ、いないんじゃない?」 「そっかなぁ。あんなにイケメンな社長なのに…」 「ほら、仕事一筋なのかもよ?」 「ああ、確かに」 美加は納得したように、最後のパンを口にした。 「由依奈、私、雑誌に買いに行きたいんだけど」 「じゃあ、あたしも行く」 ビックリした。 美加ってば、突然、変な事聞いてくるんだもんなぁ。 会社近くの本屋に向かいながら、もどかしさを感じていた。 言えたらいいのに…。 彰斗と付き合ってるって。