ゆっくり振り向くと、そこには若い男の人が立っていた。


絶対、自分より年上だと思うけど…。


20代かな?


黒いスーツに、エンジのネクタイをして、カチッとした雰囲気だ。


背はかなり高く、きっと180センチはあると思う。

スラッとしたスタイルに、流す様に無造作にアレンジされた黒髪。


眉毛は上がってるのに、目は垂れているから、全体的に甘いルックスに見える。


そして、フワッと匂う柑橘系の香水。


あまりの格好良さに、あたしはしばらく呆然とした。


「夜は冷えるよ?何も着てないの?」