「また家にいれたんか?」
帰ってくるなり、不機嫌な顔をする父親。
沙代は聞こえていないふりをして、テレビを眺めていた。
「別に、そこまで悪い子じゃないから…」
お喋りな母親は、健太郎が家に来る度、毎回…父親に律儀にも報告をしている。
「不良のどこが悪くないんや」
その度、父親はしかめっ面で、健太郎の文句を言う。
イライラした沙代は、テレビを消して…立ち上がった。
「いい加減、あんな不良と付き合うのは辞めい!受験あるのに、アホか」
父親は食卓のイスに腰掛けて、リビングを離れようとする彼女を怒鳴りつけていく。
…バタン!!
沙代は、その言葉を跳ね返すかのように、ドアを強く閉めた。

“おやすみ(^_^)愛してんで”
部屋に戻ると、健太郎からのメールが届いていた。
付き合ってから2年半、彼は変わらず愛してくれている。
沙代は、彼にメールを返して、そのままベッドへと向かった。
満たされた気持ちのまま、そっとまぶたを閉じていく。
沙代はしっかりと携帯を握りしめ、眠りについた。