沙代は教師に鞄を投げつけて、その場から離れた。
「沙代っ」
由加は慌てて、後を追いかける。
「…最低やな」
明美は落ちた鞄を拾い、教師を冷たく睨んだ。
沙代は何も持たず、走り続ける。
父親も、教師も、みんな…何とも思ってない。
みんな、ヤンキーがとうとう…事故って死んだとしか考えてない。
あたしのことを噂の種として振り返る生徒たちも、みんな…みんな大嫌い。
…嫌いや。