“元気か?勉強頑張れよ(^o^)”
受験を控えた冬休み、家から出ることの出来ない沙代に、健太郎からのメールが届く。
“もう頭がおかしくなりそうや(+_+)”
彼女は、机の上に広げたノートの上で、メールを打ち返していた。
“受験が終わったら、どっか遠出でもしよっか(^_^)b”
彼からの応援メールに、沙代は深いため息をつく。
「…あーあ」
慣れない勉強に追われる毎日。
健太郎に会えない辛さで、ストレスがたまっていく。
沙代は両腕を広げ、背伸びをした。
「…会いたいなぁ」
そうつぶやいて、ぼんやりと左手の薬指を見上げる。
あのクリスマスの後、大晦日の夜も、健太郎は暴走してから会いに来て、一緒に初詣へ出かけた。
2人で過ごす2度目の季節は、去年よりも幸せなもので…。
来年は、もっと幸せでいる自分を想像してしまう。
変わらない気持ちと、愛されているという自信。
「さぁ、もう一息っ」
沙代は、もう1度、机に向かった。