聖は、モヤモヤした感情を振り払うかのように、後頭部に組んだ腕を添えて…そのまま後ろに寝転がった。
「何言うてん、俺…。なんか、こんなん…好きみたいやんけ」
自分の声を耳にし、聖はその発言を否定する。
そして、目に当たる前髪を片手でかき上げ、天井を眺める。
こぼれていく…ため息。
「…女とか…邪魔やん」
天井までの視線の中で、映るのは…舞と出会ったころの光景。
目を閉じて見えないようにしても、彼女の無邪気な笑顔や…顔を真っ赤にして泣きじゃくる姿が、まぶたの裏に張りついて…離れない。