舞は、その言葉にブーッと口をとがらせて、眉を下げた。
ひとつひとつの発言に、彼女の表情はコロコロと変化する。
聖は、そんな彼女から目が離せなかった。
「ほんま、お前見てたら飽きへんな。しゃあないから、食わしたるよ。俺、ちょいトイレ行くわ」
聖は、ケラケラと笑いながら、席を立つ。
「当たり前っ」
舞は、ニカッと歯を見せて、ひねくれた口調で彼を見送った。
聖は振り返り、あきれた顔で、トイレへ向かった。
…ほんま、可愛くない奴。
男子トイレで、聖はクスクスと微笑んでいた。
すると、ジーンズの後ろポケットから、携帯の着信音が鳴り響く。