それを見て見ぬフリをしながらも、気にかけていた聖は、自分のことのように喜んでいた。
ところが、舞は瞬時に顔をしかめる。
「なんなよ?」
喜んだり…怒ったりと、表情をコロコロと変える彼女に、聖は眉をひそめた。
「…なんか、今日のカグ…変に優しいやん。…何、企んでん?」
舞は、ジィーッと疑いの目を向けてくる。
聖は落ち着いて、彼女の言っている言葉の意味を考えた。
…俺が優しいと、何か企んでることになるんか?
どう考えても、そうとしか…取りようがない。
聖は、ハァッとため息をついた。