だが、彼女が次に出した言葉は、意外なものだった。
「…そう言えば、何も思わんみたい。…すごい! 知らん間に、未練なくなってるかも!」
人から指摘され、気づくことのできた…気持ちの変化に、舞は驚いている。
喜ぶ彼女を眺める聖も、自然と笑みがこぼれてくる。
「ほんまやぁ!」
舞は、小刻みに肩を上げながら、ずっと喜びを噛みしめている。
聖は、手にしていた髪を、グイッと手前に引いた。
彼女の顔が、逆さまに向く。
「良かったな!」
…輝緒と美衣子がヨリを戻したとき、舞は平然としながらも、やっぱりつらそうだった。