電気もつけずに、聖はベッドに寝転がった。
無性にこみ上げてくる息苦しさに、歯を食いしばって…瞳を閉じる。
俺がしたことは、間違ってたんか?
俺は、守りたかった…だけやのに。
暗闇の隅に横たわる聖の目尻から、小さく光る粒が、静かに耳元へ流れていく。

「次の日曜、“花火しようか”って言うてんやけど」
久々に、寄り道もせずマンションに帰宅すると、輝緒は明るく誘いを持ちかけてくる。
「花火? …まぁ、ええけど」
カップラーメンに湯を注ぎながら、聖は誘いを受け入れる。