2人は、ずっと親父の帰りを待ってたのに。
俺の気持ちだけで…追い返してもうた。
認めたくない後悔が、頭の中を交差する。
聖は、2人の笑顔に偽りを感じていた。

「久しぶり! 最近、忙しいん?」
マンションへ帰宅すると、帰りを待ちわびていたかのように、舞が駆けつけてくる。
「…あぁ」
聖は、面倒くさそうに返事をし、自分の部屋に入った。
別に、舞に何かあるわけじゃない。
だが、いっぱいいっぱいになった気持ちが、無意識に聖の態度を冷たくさせている。