ふと振り返ると、輝緒がソファーに座って、ボーッと上を見ている。
「どないしたん?」
聖は彼の前に座り、テーブルの上にコップを置いて、問いかけた。
「…舞に“頑張れ”って言われた。俺、傷つけてもうたでな…」
男のくせに、涙目になって語る輝緒。
「“頑張れ”って言うてくれたんやから、頑張ったらええやん」
聖はそう言って、ニッコリと微笑み、ゆっくりと牛乳を口にした。
「あたしは、これが見たいの!!」
「アホか! 俺はこれを見てんじゃ!」