数十分して、2人はマンションへ戻った。
うつむいて玄関に足を踏み入れる彼女に、幹たちが駆けつけていく。
「…カグ」
安心する周囲の中、輝緒は表情をゆがめ、聖に呼びかけた。
「…ここまで来て、あいまいにすんなよ」
聖はそうささやいて、リビングへ戻っていった。
途中、思い詰めた美衣子の表情を…横目で見ながら。

その日の夜、風呂から上がった聖は、冷蔵庫を開けて、コップに牛乳を注いでいた。