俺の名前は…香久山聖。
周りからは“カグ”と呼ばれている。
年は、誕生日来たから…16。
同い年の輝緒と、一緒に暮らしている。
正式に言えば、輝緒のひとり暮らしのマンションに…居候してるんやけど。
まぁ…部屋は広いし、家賃は半々やから、俺の家でもあるやろ。

「今日は、遅刻ちゃうやん」
現場に着くと、一番に声をかけてきたのは、中学時代からの友人…中西拓馬。
「…毎朝、輝緒には感謝やで」
「ははっ! 女じゃなく、男からのモーニングコールやもんなぁ」
拓馬は軽く笑いながら、仕事に取りかかる。