だが、目に映る次の光景を前に、我に返る。
彼女の元には…輝緒が先に駆けつけていた。
聖は、踏み入れた足を元に戻す。
…そうやよな。
何やってんねん、俺…。
聖はその場に立ち尽くし、2人を静かに見守った。
すると、舞は輝緒の腕を振り払い、マンションを足早に飛び出していった。
「舞っ!?」
輝緒の声を筆頭に、周囲がざわつき始める。
聖は、ふと美衣子を見た。
…彼女は、舞の後を追おうとする輝緒の姿を、つらい表情で見ている。