再び、重い沈黙が、2人の間に流れていく。
数秒…間を置いて、聖は横目で彼女の様子をうかがった。
「…お前、輝緒が本気やと思ってんの?」
彼は、爪を切る手も止めずに…冷たく言い放った。
「…え?」
ちゃんと聞こえていなかったのか、舞はきょとんとした顔をしている。
そんな彼女の態度に、余計にいらだちが増していく。
「だから“輝緒は、お前のことなんか本気ちゃう”って言うてんねん!! 自惚れんなや」
聖は、眉間にしわを寄せて怒鳴りつけた。
舞は一瞬で沈んだ面もちとなる。
「…もしかして、美衣子と…なんかあるん?」