原チャリのエンジンをかけて、風を切っていく。
半年近く、見続けていた風景に別れを告げて、速度を上げていく。
別に…女ができても、金ぐらい…気持ち次第で貯められるやろ。
今思えば、こんなことで悩み続けた自分が…アホらしい。

土産売場に立ち寄り、聖は土産を探し始める。
「えっと、会社と…おかんらやろ。んで、輝緒らに…」
…んで、舞の分も。
「あいつには、こんなんでええやろ」
“白浜に行ってきました。”と書かれた土産を手に、口元が緩んでくる。