「おっちゃん! 俺、帰るわっ」
旅館に戻るなり、フロントの奥にある控え室へと、ズカズカ進んでいく。
「なんや? 急に」
「また来年くるよ。年明けから、鳶に戻りたいし。さすがに休みすぎやから」
驚いて立ち上がる叔父に、聖は淡々と話していく。
叔父は、慌てて彼を引き止める。
だが、最初の約束では…夏の間だけ。
叔父は、彼の言い分を…しぶしぶ受け入れた。
聖は、すぐさま荷物をまとめ出す。