「…寒っ」
白い空の下、海に浮かぶ…大きな岩を眺めて、聖は身震いをした。
古い町並みを背に、聖は“しらら浜”を訪れた。
「冬服…持ってきたら良かったなぁ」
薄手の長袖に身を通し、ポツリとつぶやく。
…もうすぐ正月。
聖は、まだ白浜にいた。
…忙しくなる旅館。
聖は今日、休みなしで働いていた褒美に、休みをもらっている。
「はぁーあ…」
せっかくの休みも、1人じゃ…楽しくない。