暑い季節が過ぎて、海辺の景色に寂しさを感じる秋。
もう舞が、携帯を鳴らしてくることはなくなった。
…自分が望んだ結果。
聖は“これで良かったんや”と、自分に言い聞かせる。
そして、無我夢中で働いた。
…余計なことが、頭の中に浮かばぬように。


『舞の奴、何でなんかは…わからへんねんけどなぁ、うちに来ぉへんなってん。何かあったんかなぁ…』
どんなに避けても、周囲はお構いなしに、彼女の話題を持ちかけてくる。