聖は、拓馬の心境の変化を読み取り、安心したかのように電話を切った。
これで、何かは…マシになる。
別れは変えられないとしても、きっと…何かは変わるはず。
そして聖は、自分と拓馬たちを重ねて考える。
想い合っているのに、つながらない。
……舞。
手を伸ばせば、届く距離に彼女はいる。
でも、この手は伸ばせない。
聖は、胸に秘めた気持ちから逃げるかのように…瞳を閉じた。

次の日の夜、 聖の元には思わぬ報告が飛び込んできた。