「幹からしたら、元カノは…トラウマや。会ってた理由も知らんかったんやから…しゃあないやんけ。仕返しに浮気する気持ちは、お前かってわかるやろ?」
“傷つけた分、それ以上に幸せにしたい”
幹と付き合うことを決めたとき、拓馬は真剣な顔で…そう言った。
だからこそ、こんなこと…言いたくはなかった。
「お前の気持ちもわかるけどな、幹の気持ちもわかるねん。…前のお前みたいやから」
聖は、気持ちを押し殺していた。
『…でも、あいつは妊娠した』

拓馬は、ポツリと小声でつぶやいた。