『どうもせぇへんわ。…浮気相手と、仲良おしとったらええやんけ』
質問するごとに、拓馬はうっとうしそうにため息をつく。
聖は、その荒々しい態度にあきれて、下唇を噛んだ。
そして、言わないでおこうと決めていた言葉を、口にする。
「お前、そんなん言える立場け?」
聖は、低い声で…冷たくささやいた。
『何がな?』
拓馬は、喧嘩腰で問いかけてくる。
「幹のこと、やり捨てしたこと…あるくせに」
それは、絶対に…口にしてはならない台詞。
…中学時代、拓馬は元カノに惚れ込んでいた。