君がくれたもの(第4章まで公開)

そして、ひと呼吸置いて…返事をする。
『やろうな。…だから、出たくなかったんやし』
ふてくされた口調でつぶやく拓馬。
聖は、一瞬で変化した彼の態度にひるむことなく、話を続けた。
「幹が…」
『うっさいねん! 放っといてくれや!!』
聖の言葉をもみ消すかのように、拓馬は声を張り上げる。
「…放っとかれへんから、電話しとんねん」
聖は、冷静に返していく。
拓馬は怒りを抑え、再度…沈黙を盾にした。
面倒くさそうな態度が、電話越しに伝わってくる。
「どうすん?」