…どうやら、冗談ではなさそうな雰囲気。
聖は、頭の中に、ひとつのストーリーを思い描いた。
…幹も拓馬も、まだ18になっていない。
きっと、そのことで親に反対されているのだろう。
聖は、面倒くさい問題にため息をついた。
「…2人とも、おろす気はないんやろ?」
あんなに想い合っていた2人のことや、産みたいに違いない。
聖は、普段からのろけ話を口にする…拓馬の姿を思い出す。
だが、輝緒から返ってきた言葉は、思いもよらないものだった。
『…拓の子…ちゃうんやし』
輝緒は、とても言いづらそうな声でつぶやいた。
タバコを持つ聖の指は、力を失っていく。
「…え、どういうこと? 幹のやつ…浮気しとったん?」