『え?』
「何かあったんやろ? どしたん?」
きょとんとする輝緒に、聖は本題をうかがっていく。
思った通り、その言葉で電波の向こうは静かになり、深刻な空気を放ち出した。
『…悪いな。白浜におるし、迷惑かけたくなかったんやけど』
「ええよ。言うてこいよ」
輝緒は遠慮がちに、追い詰められた声で、メインの話題に切り替えた。