…舞じゃなかった。
聖は、無意識にも、輝緒に対して…八つ当たりのような態度を取っていた。
「毎日モテモテやで」
『マジで? 俺も白浜行こっかな』
「…おばちゃんに、やけどな」
『ぶっ! おもろいやん』
布団の上に寝転がり、聖は背筋を伸ばしながら、輝緒とくだらない話を繰り返す。
「…で?」
めずらしく電話をかけてくる輝緒に、聖は何かを察していた。
そして、話の区切りが良いところで、声のトーンを落ち着かせる。