次の日の朝、散らかったままのリビングでは、仲間たちが乱雑に眠っている。
聖は、輝緒の見送りと共に、マンションを後にした。
舞への気持ちを、白浜には持っていかぬように、ひたすら原チャリを飛ばしていく。

「よう来たな! 遠かったやろぉ?」
「…おっちゃん、久しぶり」
きっと…忘れられる。
和歌山の白浜で、聖は夏を迎えた。