かすかな涙声が…静まり返った駐車場に響き渡る。
温かい体温の中、震える舞の腕を見下ろす聖は、再度…目に涙を浮かべた。
こらえ続けても、下まぶたからこぼれていく…大きな粒。
蒸し暑い夏を知らせる夜の中、虫の声だけが…鳴き続けている。
「ちょっ…苦しいって」
力強く抱きしめてくる舞に、聖は恥ずかしくなり…呼びかけた。
舞は我に返り、飛び跳ねるかのように背中から離れた。
彼女のぬくもりが残る背中。
ぬれた布が、優しい風を肌に伝えてくれる。
「お前、Tシャツ…濡れてんやんけ」