君がくれたもの(第4章まで公開)

…何をどう言えばいいのかも…わからない。

彼女の家まで、聖は何も話すことなく…走り続けた。
「…着いた」
家の裏の駐車場に到着し、聖は後ろに座る彼女に声をかける。
舞は何も言わず黙ったまま、腰に回していた腕を放し、原チャリから離れた。
聖は、少し間をおいて…考える。
そして、彼女に背を向けた状態で、エンジンを切り…口を開いた。
重い口を動かして、すべてを打ち明ける。
父親が借金を作ったことから、父親の自殺の話まで。