「…くそ」
聖は、手にしていた荷物を放り投げ、テーブルの上にある…原チャリのキーを手に取った。
そして、顔をゆがめたまま、部屋を飛び出していく。
「どこ行くんっ?」
リビングで寝転がっていた年下の実が、血相を変えて玄関へ向かう聖に、声をかけた。
「…コンビニっ」
聖は振り返ることなく、急ぎ足でマンションを飛び出した。
パタンと閉められた玄関のドア。
聖の行動を眺め、輝緒と美衣子、そして拓馬と幹は、それぞれ顔を見合わせ…微笑んだ。