…なんやねん、ちゃんと答えろや。
初めて電話したうえに、何度も同じことを聞いたりは…できない。
聖は、舞の返事に、不満を抱く。
『カグってさ、なんで…モテるのに、彼女作らんの? …好きな子とかは?』
沈黙の空気を破るかのように、突然、舞が問いかけてきた。
荷物の上に置いていた足が、ぴたりと動きを止める。
「…あ? 今は、女より…金やなぁ」
自分の気持ちを読まれたかのような気持ちになり、聖の表情は、一瞬で凍りつく。
だが、必死に冷静を装った。