「ユリ」 彼が、優しい声で“ユリ”を呼ぶ。 私は、それに自然に反応を返した。 あぁ、この声か。 夢に出てきた彼の表情は鮮明で、今と同じ、優しくて少し子供みたいな、私の大好きな笑顔を浮かべていた。 この声で、この顔で、この仕草で、私は名前を呼ばれていたのだ。