いろんな意味で、自分より強い雪奈。
幹は…自分の弱さを彼女に悟られないように、明るく笑っていた。
「幹ちゃん!」
始業式の後、渡り廊下を歩く幹と美衣子の後ろから声が聞こえてくる。
「…和くん」
幹は、駆け寄る和貴を見て、眉をひそめた。
「今日な、この後、遊べへん?」
うれしそうに、話しかけてくる和貴。
彼の勢いにのまれ、幹はぎこちなく微笑む。
「え…、2人で…?」
…誰かに見られたら、絶対噂になってしまう。