「…そっか」
信号待ちの道路で立ち止まる2人。
“失敗”を語る雪奈を、幹は静かに受け入れていく。
「何しに行ったんかわからんわ」
“気持ちを伝えるだけ伝えて諦める”
そう…決めたくせに。
雪奈は、逃げて帰ってきた自分を悔やんでいた。
「どうすん?」
青に変わる信号とともに歩きだす雪奈に、幹は少し遅れた足取りで声をかけた。
…雪奈は沈黙になる。
「…気持ちはもうバレてるっぽいやん。…返事聞けへんの?」