２人は、近くの人気のない場所まで歩いていく。
「…で？　何？　話って」
彼女の意味不明な行動を、拓馬は不思議に思っている様子。
…雪奈はゴクリとつばを飲んだ。
「何なよ？」
うつむく雪奈をのぞき込んで、声をかけてくる。
「…武内さんと、付き合ってるん？」
雪奈は、思わず聞く予定のなかった言葉を口にした。
「えっ…あー、いや…付き合ってはない…けど」
拓馬はそっぽを向いて、頬を赤らめた。
うろたえる彼を見て、雪奈の胸は締めつけられていく。
「…何なよ、急にっ！　あ、お前…俺のこと好きなんやろ？」