美衣子は好きな人に告白をして、交際をすることになったと言う。
…今の彼女に、怖いものは…何もないだろう。
一方、気持ちを伝えることさえできず、そのうえ…目の前で思いもしなかった現実を味わった幹には、黄色い服に身を包んだ美衣子が妙に輝いて見えていた。
「…なぁ、じゃあ諦めるん?」
美衣子は、何を言っても黙り続ける幹に、ため息をついた。
「…美衣子にはわかれへんよ」
幹は静かに顔を上げ、冷たく言い放った。
「わかるって! でも、落ち込んでてもしゃあないやん。…やっと素直になれたのにさぁ」