彼の背中を前に、２人は深く息を吸い込んで、声をかけようとした。
…その時、
「…一緒に帰ろうや！！」
突然、拓馬の声が耳に入る。
２人は同時に顔を上げる。
２人は、身を動かせて、彼の声がかかる先を見た。
目に映ったのは、彼に声をかけられ…恥ずかしそうに口を両手で覆う女の子。
彼女は、雪奈や拓馬と同じクラスの武内佳奈だった。
「ぉおー！　マジでー！？」
２人を冷やかす周りの大きな声に、幹と雪奈はもみ消されていく。