離れたクラスにいる彼とのこの距離を…近づけたい。
美衣子は、強く願いを込める。
一方、幹もまた、後ろに並ぶ友達に話しかけるフリをしながら…斜め後ろに並ぶ拓馬の姿を確認していた。
友達と楽しそうに話す彼のやんちゃな笑顔を見るたび、胸が苦しくなる。
そんな幹を、和貴は切ない目で眺めている。
そして雪奈もまた、拓馬を見つめている。
皮肉にも、彼女の視界には同じように彼を見つめる幹まで映っていた。

「…じゃあ、2学期に元気な顔で登校してください」
終礼を終わらせる担任の声で、教室は一気に騒がしくなる。