幹はホッと安心した分、その勢いで、まだ決心しきれていなかったことまで口にした。
『…え』
思いがけない幹の考えに、雪奈の笑顔は一瞬で消えていく。
「…言うつもり」
雪奈に言うことで、自分の中のあいまいな気持ちを、確かなものにしようとする彼女。
『…そっか。うん、頑張れ。いつ言うん?』
雪奈は急いで、平然を装った。
「終業式の日かな。夏休み入ったら会われへんなるし。…言うても良い?」
一応、幹は了承を取っておきたかった。