『…夏休み、嫌じゃなかったら…2人でどっかに行けへん? 嫌じゃなかったらでいいねんけど』
その日の夜、もう日課と呼んでもおかしくない電話に、幹は重い空気を放っていた。
「…あの…ごめん」
中途半端に接し続け、和貴に期待させてきた自分に、後悔が降り注ぐ。
『…あ…うん。えっと…気にせんといて。…また…また皆で…また…』
決死の誘いを拒まれ、和貴は動揺する。
「…あの…ごめんなさい。…あたし好きな人おるから…電話も、もう…」
勇気を出して、ハッキリと断る幹。