太陽と月(第3章まで公開)

積極的に行動してくる彼の気持ちは、なんとなく…感づいている。
でも、彼女はそれに気づかぬふりをして…普通に接するばかり。
…冷たくして、和貴のことを避けたりもしていない。
友達として、仲良く…都合良く扱っている。
なぜなら、彼を拒めば…拓馬との接点がなくなってしまうから。
当然、拓馬は…自分を見てくれない。
多分、親友の雪奈のことを想っているだろう。
叶わない恋ってことは…百も承知。
でも、口では「諦めた」と言えても、そんな…すぐに忘れられるわけがない。
学校に行けば、瞳は自然と彼を探すように…習慣づいている。
和貴から電話があるたび…考えてしまう。
“こうやって…毎晩電話をしてるん?”