幹は、完全に自信を失っていた。
『…そっか。本人が無理って言うなら…無理やな』
美衣子は、ため息交じりにそう答えた。
冷たく言い放たれた言葉に、幹は再び涙を流す。
『幹、無理や思ったら無理やで。あたしは、幹も雪奈ちゃんも悪くないと思う。…好きなもんはしかたないやん。でも、幹が諦めるなら…あたしは応援せえへんで』
冷たいように聞こえるが、その言葉には…優しさが込められていた。
遠回しに励ます彼女の声を、幹は静かに聞いていた。

電話を切った後、幹は鞄から今日撮ったプリクラを取り出した。