さっき撮ったプリクラのシールの裏に、雪奈の番号を記す彼。
雪奈のうれしそうな顔と、好きな人の前で番号交換をしなければならない状況が、幹の胸を締めつけていく。
幹は、つばを何度も飲み込むことで、泣きだしそうな思いを落ち着かせていた。

「あんた、テスト前なんやろ!? 何時やと思ってん!?」
家に帰ると、しかめっ面の母親が台所から登場する。
幹は母親を無視して、足早に階段を駆け上がった。
バタンッ!
心を閉ざすかのように勢いよくドアを閉め、その場にしゃがみ込む。