だが、幹は…なぜか彼のことを目で追っていた。
一目惚れなんか…してへん。
あたしに限って、そんなん…絶対あるわけない。
彼を意識するたび、いつも自分にそう言い聞かせていた。
だが、なぜか放課後は…雪奈よりも彼を待っているかのような気持ちになる。
正直言って、好みじゃない。
背は低いし、何より…ガキっぽい。
老け顔のあたしとは、絶対、釣り合えへん。
幹は、ふくらんでいく彼への気持ちに…目をそむけていた。