「あたしにはぁ?」
と口をとがらす雪奈に、拓馬は、しぶしぶ小銭を出す。
彼からジュースを受け取る彼女を見て見ぬふりをしながら、和貴からもらったものを飲んでいた。
ゲームにも飽きてきた頃、4人は休憩のできるところへと移動する。
「…家の番号教えて」
和貴は、思い切って幹に問いかけた。
「…え」
まっすぐ自分に向けられる視線に、戸惑う幹。
「おっ! 番号交換け? えぇやん、教えたってやぁ。俺も、太田と交換するからさぁ」
わざとらしく冷やかす拓馬は、テーブルの上にあるボールペンを手に取り、雪奈に声をかけていく。