「…ごめんな」
落ち着きを取り戻した雪奈は、幹の背中に謝った。
「…いいよ。そこまで…好きちゃうかったし」
幹は背中を向けたまま返事をする。
振り返ることが…できなかった。
顔を見せれば、きっとバレてしまうから。
幼なじみの彼女に、嘘の笑顔は…通じない。
幹は、喉の奥にある息苦しさを押し殺して…必死に明るい声を出していた。